姫神ウィンドパーク新設工事

姫神ウィンドパーク新設工事

プロジェクトデータ

顧客名
コスモエコパワー株式会社
所在地
岩手県盛岡市玉山地区、山岸地区
生産品目
電力
完成時期
2019年3月
機器数
風力発電機(2,000kW)×9基、主変圧器(20MVA)×1基、送電線距離 22km

姫神山の南方に2,000kW風車を9基建設

姫神ウィンドパークは姫神山の南方にある天保山の近隣(標高約1,000m付近)に建設されています。2014年から詳細設計を開始し、2016年の夏に着工、2019年4月に商用運転を開始しています。
姫神ウィンドパークの特徴として、9基のうち4基は牧草地、5基は林地に建設されており、見る角度によって異なる表情を見せます。
完成後は発電している風車の傍らで牛がのんびりと草を食む姿が見られました。
9基の風車は、岩手山のやや南側から吹く卓越風を受け、約1万世帯分の電力を発電し、供給しています。

himeji_zenkei_1.jpg全景1
himeji_zenkei_2.jpg全景2
himeji_zenkei_3.jpg全景3

himeji_ushi.JPG現場を監視する牛

地名の「玉山」は『玉石の出る山』が由来?!

風力発電所の建設工事では、高さ約120 mもの風力発電機を組み立てるための平地や、風力発電機を支えるための基礎を築くため、地山の掘削を行います。重機で山を掘ってみると、巨大で非常に硬質な岩がゴロゴロと出土し、掘削機械が幾度も故障したため工事は難航しました。地元の方曰く、巨大で丸っこく硬質な岩は『玉石』と呼ばれ、『玉山地区』の名前の由来となっているとか・・・
(最後の写真は現場内に残されていた熊の足跡です。昼間に工事現場に姿を現すことはありませんでしたが、雄大な自然の一端を見ることができました。)

himeji_6tama.JPG玉石出土

himeji_7doro.JPG
道路造成
himeji_8kuma.JPG
クマの足跡

総距離22kmの送電線路(品川駅-横浜駅間の距離に匹敵!)

風力発電機で発電した電気は、送配電事業者の送電設備と系統連系することで一般家庭や工場などの需要家に届けられるようになります。風力発電機群から送配電事業者の送電設備までは一般的に自営で送電線を引かなければなりません。今回はその総延長距離が22km(内訳:電柱による架空電線12km、地中電線路10km)となり、なんと、東京の品川駅から神奈川の横浜駅間に匹敵するほどの長距離施工でした。

himeji_9.JPG管路埋設工事

himeji_10.JPG架空電線工事

himeji_19.jpg変電設備

3晩かけて遥々135kmの陸上輸送

風力発電機の部材は国内外の工場から船で輸送されます。今回は岩手県宮古市の宮古港で荷受け(水切り)を行いました。荷受けした部材は港湾内の13,000m²ほどのスペースに仮置きされ、建設の工程に合わせて陸上輸送されます。最高4.6m、最長42mの部材を一般道で輸送するため、道路管理者と警察から許可を取得して車通りの少ない夜間(22時~6時)に輸送作業を行いました。宮古港から建設現場までは135kmの道程であったため、部材によっては3晩かけてやっと現場に到着できるほどの大変な作業でした。

himeji_11.JPG水切り

himeji_12.jpgブレード輸送(新川交差点1)

himeji_13.jpgブレード輸送(新川交差点2)

himeji_14.jpgブレード輸送(新川交差点3)

雪の中を徒歩で移動しての試運転

風力発電機の建設後、商用運転に向けた使用前自主検査、試運転が行われました。盛岡市は10月になると雪が降りだし、12月になると山の上はすっかり雪で覆われます。検査には機材を載せた車両が必要でしたので、日々除雪作業が必要となりました。また、雪の中をかんじき履いて徒歩で移動したり、雪上車で試運転班を送迎するなどの対応が必要となりました。

himeji_15.jpg使用前自主検査

himeji_16.jpg雪上車

2019年4月運転開始

2019年4月に予定通り風力発電所は運転を開始しました。2016年の着工直後に襲来した台風10号、2017年の豪雨災害など、度重なる自然災害によって工事は難航しましたが、困難に直面するたびに地域住民の方々、官公庁の担当官、現場で日々工事を進めて頂いた協力会社監督・作業員の皆様のお蔭をもちまして工事を完成させることができました。深く謝意を申し上げます。

himeji_17.jpg牧草地復旧後

himeji_18.jpgプロジェクトメンバー集合写真

BACK