石狩湾新港風力発電所新設工事
プロジェクトデータ
- 顧客名
- コスモエコパワー株式会社
- 所在地
- 北海道小樽市銭函5丁目他(石狩湾新港内)
- 工事名
- 石狩湾新港風力発電所新設工事
- 生産品目
- 電力
- 完成時期
- 2018年1月
- 機器数
- 2基(3,300kW×2)
当時では国内最大級の風力発電機2基を建設
本工事は、北海道の石狩湾新港内(北海道小樽市 銭函地区)に、当時の国内の陸上としては最大規模の風力発電機(出力3,300kW、ハブ高さ84m、ロータ直径112m、最高到達高さ140m)2基と変電設備を建設するプロジェクトでした。2014年から詳細設計を開始し、2016年9月に着工、2018年2月に商用運転を開始しています。また、風力発電機は有名なロックフェスティバルの会場内に立地しています。
全長約40mの杭基礎を施工
風力発電機の建設地は沿岸部の軟弱地盤であったため、地盤の支持力を得るために全長約40mの既製杭(摩擦杭)を風力発電機1基につき8本、プレボーリング工法にて施工しました。寒さが残る4月からの施工で、周囲は樹木等のない海岸に近い平坦な場所で、冷たい風にさらされながらの厳しい環境下での工事でした。
地下水位を低下させて基礎を施工
風力発電機の建設地は地下水位が地表面近くの深度に位置していたため、風力発電機の基礎を施工する掘削から鉄筋組立、コンクリート打設、埋戻し等の工事期間中、地下水位を低下させる地下水位低下工事(ウェルポイント工法)を施工しました。風車基礎の周囲を囲うようにしてウェルポイントを設置し、地下水の排水を行いました。
全長約55mのブレード他、大型の風力発電機部材を輸送
海外から船で海上輸送された風力発電機部材を石狩湾新港で水切り(荷受け)を行い、夜間に特殊車両を使用して風力発電機の建設地まで陸上輸送を行いました。港から風力発電機の建設地までの約3kmの一般道を輸送する途中には交差点があり、全長約55mのブレード(風車の羽根の部分)他、大型の風力発電機部材を輸送する際に支障となった中央分離帯の一時的な撤去等を行い、輸送後に復旧工事を行いました。
海外製大型風力発電機の組立
風力発電機は主に500tクローラクレーンを使用して組立を行いました。3分割の高さ約80mのタワー(ロータ、ナセルを支える部分)、ナセル(発電機、増速機等を収納する部分)、ハブ(ブレードの付け根をロータ軸に連結する部分)を取付け後、3枚のブレードを1枚ごとにブレードを挟み込んで固定する特殊な装置を使用して取付けを行いました。英文の組立マニュアルを使用し、海外からの風車メーカの指導員と英語でコミュニケーションをとりながらの施工でした。
2018年2月運転開始
風力発電機を組立後、商用運転に向けて使用前自主検査、試運転が行われました。11月下旬から降雪が始まり、除雪を行いながら厳しい寒さの中での作業となりしたが、最後まで安全第一に工事を遂行し、無事故無災害で予定工期にて完了しました。
お客様はもちろん、協力会社をはじめとする関係各社、及び地元自治体、住民の皆様には工事期間を通して大変お世話になり、誠にありがとうございました。