風力発電設備
未来のために、環境に優しく、安全なエネルギーが安定して利用できる社会づくり。
五島列島の福江島にある長崎県五島市岐宿の北部で、既設の400kW風力発電機を2基、風車基礎を3基解体撤去し、2,000kW(ナセル高=75m、ブレード長=43m)の風力発電機1基を新設するリプレース事業を、当社初の風車リプレース案件として設計・施工しました。
2018年7月に設計を開始し、2019年10月に着工し順調に工事は進捗していましたが、新型コロナ影響により海外風車メーカの技術指導員の入国が遅れたため、一時休工を余儀なくされました。その後工事を再開して、2021年3月に商業運転を開始しました。
解体前の既設400kW風車
新設2,000kW風車
島内には解体工事用の大型重機がなかったことから、風車基礎のアンカーリング据付に使用する重機を活用することとし、風車解体と風車基礎工事を同一エリアで同時に行うこととなりました。
解体する風車と新設する風車は数十メートルしか離れていなかったため、解体工事と新設基礎工事の重機作業が干渉しないよう日々調整しながらの工事となりました。
輸送計画については事前に地域住民へ説明し同意を得ていましたが、官庁指導により一部計画が変更となりました。改めて地域住民の方への説明を行い、合意形成のもと輸送工事を行いました。国道・県道・市道を通る夜間輸送(商店の営業が終了する0時に風車部材輸送を開始)となりましたが、住民の方々のご協力と安全対策の徹底により無事故無災害で輸送工事を完遂することができました。
2台の風車建設用クレーン、建設用コンテナ、フォークリフトを配置した作業エリアはブレード1本がやっとおける程の通常と比べて狭いエリアでした。
積雪、強風による中断が多々ありましたが、集中力を絶やさず慎重に作業を進めることで接触による部材損傷や作業員の怪我もなく、無事故無災害でに風車組立工事を遂行することができました。
最後に、本工事はコロナ禍での対応に苦慮した現場でもありました。日本では2020年1月以降に感染が拡がり、2020年4月7日には7都府県で最初の緊急事態宣言が発出されました。
未知の感染症ということで、これまでにはない現場対応を求められました。日々、工事関係者の体温測定と記録を行い、密となる場所の常時換気、また猛暑の中で熱中症予防に気を配りながらマスク着用を指示しなければなりませんでした。
前述の通り、2020年6月に予定していた風車水切り・輸送・据付工事も風車メーカの技術指導員が入国できないため延期となり、6か月間の休工を余儀なくされる等、これまでに経験のない現場対応を求められましたが、無事工事完了できたことは、地域住民や現場作業員をはじめ関係者の皆様のお陰であり、改めて感謝申し上げます。